収益認識の改正(会計)
昨年、企業会計基準委員会より公表されていた収益認識基準(収益認識に関する会計基準)。
この基準は、IFRS第15号(国際会計基準)に基づき、国際会計基準に合わせるため実施された改正です。
なかなか馴染みがなくて読みづらいんですよね。。
大まかにいうと、収益の認識を細かく分けて認識してください、という基準なんですよね。
例えば、今まで実現収益(2ステップ)などで認識されていた収益を5つのステップに分けて認識してください、と。。
5つもあるのか!笑
では、事例を踏まえて解説します。
例えば、お菓子などの小売販売業(値引き販売などがないと仮定します)。
ステップ1
顧客との契約を識別する(企業会計基準第29号 17項⑴)。
小売販売はお菓子などを仕入れ販売する会社なので、顧客はお客さん。お客さんとの契約は、お客さんにお金を貰ってお客さんにお菓子などを渡すこと。
ステップ2
契約における履行義務を識別する(企業会計基準第29号 17項⑵)。
契約における履行義務は今回、一つしかないのでお客さんにお菓子などを渡すこと。納品義務です。
ステップ3
取引価格を算定する(企業会計基準第29号 17項⑶)。
取引価格は、今回値引きなどをしていない事例なので、販売価格が取引価格となります。
ステップ4
契約における履行義務に取引価格を配分する(企業会計基準第29号 17項⑷)。
履行義務は、ステップ2で一つしか識別していないので納品義務。つまり、今回の事例は納品しかしていないので、納品義務の対価が、取引価格となります。
ステップ5
履行義務を充足した時に又は充足するにつれて収益を認識する(企業会計基準第29号 17項⑸)。
納品義務を果たしたら、義務も無くなったため収益を認識します。つまり、納品することにより履行義務を充足し、収益、販売価格を認識します。
あれ?あんなに頑張って細かく考えたのに変わらないのかよ!って感じです笑
今回の改正で一番大きな影響は、履行義務の識別(ステップ2)だと考えています。
履行義務の識別で契約が一つであっても義務をそれぞれ識別するため、ある義務が満たされれば、ある義務にかかる収益が認識される可能が生じます。
次回は、上記のような影響しそう事例を踏まえて解説したいと思います。
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